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相
常用漢字 9画
[字訓] みる・たすける・かたち
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
木+目。〔説文〕四上に「省するなり」とあって、見ることを本義とする。〔詩、大雅、樸(よくぼく)〕に「其の相を金玉にす」、〔詩、大雅、桑柔〕に「其の相を考へ愼む」とあって、本質が外にあらわれる意であろう。〔詩〕の発想に、樹木の繁茂するさまを瞻(み)ることが、祝頌の意をもつ魂振り的行爲として歌われており、見ることが対者との呪的な交渉に入る方法とされた。相もそのような古代の呪儀を背景とする字であろう。〔書、召誥〕「惟(こ)れ太保(召公 (せき))、 に先んじて宅(居るべきところ)を相(み)る」は、相地相宅のことであるが、これも古くは呪儀としての行為であろう。
[訓義]
1. みる、みさだめる、くわしくみる。
2. たすける、おさめる、えらぶ。
3. かたち、すがた、ありさま。
4. たすけあう、たがいにする、せわする、あいてする。
5. きねうた、かけあいうた。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕相 アフ・ニル・ミル・カタチ・タガヒニ・トホシ・ハゲム・トブラフ・イフ・ヲサム・ハカル・タカシ・マサ・スケ・ミチビク・ツチシロ 〔字鏡集〕相 マサ・ヲサム・タカシ・タガヒニ・ミチ・タスク・ハカル・ミル・ニル・アル・ミテ・ツチシロ・ヒク・スケ・マサリガホ・アヒミル・カタチ・マコト・ミチビク・トブラフ・ハゲム・アフ・キク・イフ・コモゴモ
[声系]
〔説文〕に相声として箱・想・湘・霜の四字を収め、〔新附〕にを加える。想は相の声義を承ける字であろう。
[語系]
相siang、省siengは声義近く、省は視る、相は省視と訓する字である。省の初形は目の上に呪飾を加え、その支配する地を巡省視察する意。視るという呪的行為によって、圧服支配する意を含む字である。相は樹木を視る意で、魂振りとしての意をももつ字であろう。
[熟語]
相王▶・相器▶・相君▶・相国▶・相璽 ▶・相者▶・相婆 ▶・相府▶・相門▶・相羊▶・相佯 ▶・相愛 ▶・ 相軋 ▶・相異▶・相違▶・相因
[下接語]
亜相・位相・異相・家相・観相・奇相・吉相・形相・相・険相・賢相・国相・骨相・宰相・事相・色相・実相・首相・諸相・将相・丞相・真相・瑞相・世相・聖相・占相・宅相・地相・内相・人相・皮相・貧相・傅相・福相・仏相・物相・変相・輔相・方相・無相・名相・面相・様相・良相・林相
出典平凡社「普及版 字通」 普及版 字通について 情報